2018年9月9日日曜日

フィクションとしては星5の本

「ロマンで古代は読み解けない」を
出版するにあたって楽しみにしていたことがあります。

それは提案した仮説への議論の深まりです。

特に伊勢神宮の内宮外宮2社制についての解釈は
いままで何方も提案されなかったものです。
発見したときの「あっ」という腰の浮くくらいの感触を
共有していただきたいという思いもありますし、
僕たちとしては最も世に問いたい仮説です。

もちろん議論というものは読者の皆さんに
乗ってきていただかないとどうにもなりません。
もしなにかご意見ありましたら遠慮なく作者に浴びせかけてみてください。
それは手厳しい批判であってもいいのです。
もし本を買っていただいた上にご批判まで頂けるのでしたら、
普段科学論文を無料で配布している身としては
考えられないくらいのありがたい状況です。
見かけの割には高価格の本ですし。

さて、
このたび某レビューに
「ノンフィクションとして星2つ」
との趣旨のご批判をいただきました。

本の宣伝文句に「科学」というキーワードを使っていますし、
そもそもタイトルが「ロマンじゃない!」と謳っているので、
読者の方が本書をノンフィクションとして扱うのは当然であり、
これは至極当然のご批判です。

大して文献の引用もない本書は、
確かにノンフィクションとしては
不出来であるに違いありません。

しかし果たして本書はノンフィクションでしょうか。
どこかプロレスのように現実と非現実の境界を
行き来しているような雰囲気はないでしょうか。
あるいは思想書のような哲学書のような。
面白い仮説で遊ぶような感覚。

某レビューの中でも触れられていますが、
「著者たちも最後には認めてしまっている」のです。
そう。この問題については僕たちも自覚をしております。

著者はふたりは科学論文をガンガン書いている現役の科学者です。
科学論文は怖い査読者と恐ろしいエディターの批判をかいくぐって世に出ます。
著者ふたりの身体には「科学」が痛いほど染み付いています。
そんなふたりが「あえて」このようなスタイルの本を書いたのです。
意図を想像していただくのもご一興かと思います。

実は某レビューには続きがあります。
「ノンフィクションとして星2つだけど、フィクションとしてなら星5」
です。

僕たちにとって「フィクションとしては星5」は
最大限の誉め言葉です(涙涙涙涙涙)。

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